
橿原・今井町の静かな通りに佇む、
古き屋敷「尾崎家」の記憶を宿した一隅。
木肌を映す障子の光、庭梅の香りが、
時をやさしくほどいてゆきます。
武士から町人へと暮らしを移したその決意が
この町を動かしてきた歴史。
「茶寮 百代」は、その精神をそのままに茶の席をひらきます。
どうぞ、ごゆるりと。

葛粉100% 吉野本葛とは
奈良・吉野の奥深く、冬の澄み水と寒気が育む純白の恵み。
職人の手で幾度も晒され、時間と静寂の中で磨かれる葛の結晶。
混じりけなき本葛は、いまや希少な“奇跡の白”と称されます。
ひと匙に込められた透明な粘りは、自然が紡ぐ無垢の証。
舌に寄り添うなめらかさの奥には、芯のある余韻を残し
古より人のからだと心を癒し続けてきました。
この極上の葛を、あたたかさ残る”できたて”でお届けいたします。

国産の鰹節と昆布を、ひとつひとつ丁寧に煮出し、
じっくりと時間をかけて引き出した一番出汁の澄んだ旨み。
静寂の時間が、その香りと深みを育てます。
塩は加えず、奈良・宇陀の名醸「黒川醤油」をひと滴。
まろやかで、角のないやさしさが舌に広がります。
地元の恵みが語り、出汁が奏でる、和の本質。
一椀の中に、静謐が息づく
こころにぬくもりを灯す一杯です。

茶寮 百代の甘みは、四季のめぐりとともにあります。
春は柑橘の香を、夏は果実の涼を、秋冬には蜜の深みを。
保存料にも香料にも頼らず、素材の声に耳を澄ませて。
一杯ごとに、からだを想い、心をととのえる滋味を込めました。
手と時と想いを重ね、静かに育てた味わいです。
